手のひらにのせた焙煎済みのコーヒー豆、アプリリアのTomassi Coffee焙煎所にて

最初に買うべきはコーヒーミル:刃式と臼式の違い

Andrè Tomassi

自宅にコーヒーコーナーをつくろうとしていて、何から始めればいいか迷っているなら、私たちのアドバイスはこれです。新しいマシンより先に、精密なスケールより先に、細口のケトルより先に、コーヒーミルを買ってください。世界でいちばん地味なアドバイスに聞こえるかもしれません。でも、同じコーヒーを使ったとき、カップをいちばん大きく変えるのがこれなのです。

この記事では、なぜ挽き方がそれほど大切なのか、刃(ブレード)式と臼(バー)式のミルの違い、そして頭を悩ませずに選ぶ方法を見ていきます。

挽き方が思っている以上に大切な理由

コーヒーを淹れるというのは、要するにコーヒー粉にお湯を通して、香り、糖、酸、オイルを引き出すことです。何をどれだけ引き出せるかは、主に接触面積で決まります。小さな粒はすぐにすべてを出し切り、大きな粒は時間がかかります。

問題は、同じ一回分の中に大きさがまったく違う粒が混ざっているときに起こります。細かい粒は抽出されすぎて苦味と渋みを出し、粗い粒は抽出が追いつかず、酸っぱくてトゲのある「スカスカ」な味になります。結果は、苦くて同時に酸っぱいカップ。どんなレシピでも直せません。だからミルに最初に求めるべきなのは、スピードでもデザインでもなく、均一さなのです。

もうひとつ、もっとシンプルな問題があります。時間です。挽いた瞬間から、コーヒーは豆のままのときよりずっと早く香りを失い始めます。表面積が一気に増えて酸化するからです。飲む直前に挽くのは、私たちが焙煎所で思い描いたとおりの味でコーヒーを楽しむ、いちばん簡単な方法です。ご自宅での豆の扱い方をもっと知りたい方は、コーヒーの保存方法のガイドもどうぞ。

刃式ミル:実際に何をしているのか

刃式は、キッチンの「ミキサー」のようなものです。高速で回転する刃が、豆を手当たり次第に割っていきます。挽くというより、砕いているのです。長く回すほど粉は細かくなりますが、中で何が起きているかはまったくコントロールできません。

  • 粒がバラバラ:同じ一回分の中に、ごく細かい粉とパンくずのような大きなかけらが混ざります。まさに上で話した問題です。
  • 本当の意味での調整ができない:唯一の「操作」は、ボタンを押している時間だけ。同じ挽き目を2日続けて再現するのはほぼ不可能です。
  • 熱:長く回る刃はコーヒーを温めてしまい、熱は繊細な香りにとって良くありません。

じゃあ捨てるべき? ないよりはまし、何週間も前に挽いた粉よりはまし、と言っておきましょう。でもスペシャルティコーヒーにお金をかけたなら、壊れたスマホ用イヤホンでレコードを聴くようなものです。

臼式ミル:違いがはっきりわかる

こちらは、固定された臼と回転する臼の2枚の間をコーヒー豆が通ります。2枚の間隔が粒の大きさを決め、豆は通り抜けられる大きさになるまで砕かれてから出てきます。結果として、ずっと均一で再現性の高い挽き目になります。

臼にはコニカル式とフラット式があります。宗教戦争に足を踏み入れるつもりはありませんが(コーヒーの世界にはもう十分あります)、どちらもよく機能します。初心者にとって大事なのは、品質が良いこと、きちんと芯が合っていること、そして調整が正確なことです。

それから手動か電動かの選択もあります。

  • 手動:場所をとらず、静か。同じ予算なら、安い電動ミルより良い臼を備えていることが多いです。ドリップ、マキネッタ、エアロプレスにぴったり。エスプレッソにも使えますが、ハンドルを回すのはなかなかの運動になります。
  • 電動:1日に何杯も淹れる方や、家族が多いご家庭なら、こちらのほうが便利です。ごく細かい調整が必要なエスプレッソでは、電動がいちばん実用的な選択であることが多いです。

はじめてのミルの選び方

  1. いちばんよく使う抽出方法から考える。エスプレッソ、マキネッタ、ドリップでは、必要な挽き目がまったく違います。ほぼドリップしかしないなら、エスプレッソ向けのミルは必要ありません。逆もまた然りです。
  2. 調整機能を見る。エスプレッソにはごく小さな刻み(「カチッ」ひとつで全部変わります)が必要です。ドリップやマキネッタでは、調整が安定していて、元の位置に戻しやすいことがいちばん大切です。
  3. 掃除のしやすさを考える。簡単に開けて掃除できるミルは、使うのが楽しくなるミルです。古いコーヒーのオイルは、時間がたつとカップに出てきます。
  4. 予算はほかではなく、ここにかける。もっと良いミルか、もっと見た目の良いマシンか、で迷ったらミルを選んでください。シンプルな器具に良い挽き目の組み合わせは、その逆にほぼ必ず勝ちます。

Tomassi Coffeeのスペシャルティコーヒーで淹れたエスプレッソ

自分のミルが見つかったら、次はレシピです。分量と時間はエスプレッソとマキネッタのガイドでご紹介しています。

練習にぴったりのコーヒー

Tomassi Coffeeのスペシャルティコーヒー Blend 1969、ブラジル・ペルー・エチオピアのブレンド

新しいミルを手に入れたら、多少のズレを許してくれて、うまくいっているときはすぐにわかるコーヒーで練習するのがいちばんです。私たちのおすすめはBlend 1969。1969年に家族が初めて開いたお店へのオマージュで、ブラジル San Rafael、ペルー Añas Blues、エチオピア Makhore のブレンドです。カップではミルクチョコレート、ヘーゼルナッツ、アーモンド、キャラメル。しっかりしたボディと濃密なクレマが楽しめます。エスプレッソは粉18g/抽出量36g、25〜28秒、約93°Cからスタート。苦くなったらほんの少し粗く、酸っぱくなったらほんの少し細かく挽いてください。ミルを「感じ取る」練習として、これほど楽しい方法はありません。こちらからどうぞ。

まだミルが届いていない? 問題ありません。ご注文後に焙煎し、ご希望ならエスプレッソ用、マキネッタ用、ドリップ用に私たちが挽いてお届けします。ただし休ませるのを忘れずに。ドリップとマキネッタは焙煎から最低5日、エスプレッソは15日です。焙煎日は袋に記載しています。

どのミルを選べばいいか迷ったら、気軽にメッセージをください。コーヒーについての質問に答えるのは、この仕事でいちばん好きなことのひとつです。

Kiss my beans!

心から感謝を込めて、
Tomassi Family

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